所要量計算の概要と特徴
製造業においては、部品単品の加工業種などを除いて、複数の部品から製品や最終納品部品を製作する場合がほとんどです。ある製品を作るために、どんな部品がいくつ必要か、その製品を構成する部品表データに基づいて計算を行うのが「所要量計算」です。その計算結果は、部品の手配や品揃え、工程計画など、生産のさまざまな場面で利用することができます。
しかし、その所要量計算も、単純な構造の製品、使用部品の少ない製品であれば手計算でも十分対応できるかもしれませんが、複雑な親子関係を持った部品から成る製品や多くの種類の部品を使う製品の場合には、非常に多くの労力が必要となります。また、計算間違いも発生しやすいことでしょう。さらに、通常は多くの種類の製品を扱うことがほとんどですので、その1点1点について計算を行い、その上、部品別に集計したり、購入先別に集計したり、月別や日別にその所要量を手作業で計算するというのは、大変な労力であり、非効率といえます。
そこで、そのような膨大な計算業務を、パソコンを使って効率化・省力化してくれるのが本データベースアプリケーションです。あらかじめ、1つの製品を構成する部品表データ(構成や必要数量など)を登録しておくことによって、さまざまな角度からの所要量計算を、簡単かつ迅速に行うことができます。
本アプリケーションは、次のような特徴を持っています。
- 製品の月別生産計画を入力することによって、全製品の月別の使用部品を一度に集計する、月別所要量計算を行うことができます。
- 製品の日別生産計画を入力することによって、全製品の日別の使用部品を一度に集計する、日別所要量計算を行うことができます。
- 月別・日別の部品ごとの所要量に対して、製造原価(材料費+加工費)を掛け合わせたコストを一覧表示することができます。
- ある1つの製品とその生産数量を入力することによって、その製品単品の所要量計算を行うことができます。
- あるAssyとその生産数量を入力することによって、そのAssyの製作に必要な子部品の所要量計算を行うことができます。
- いずれの所要量計算の結果も、部品別集計画面として直ちに確認することができます。
- いずれの所要量計算の結果も、部品別・購入先(外注含む)別に集計して、帳票に出力することができます。
- 所要量計算の結果や月別生産計画・日別生産計画のデータは、ExcelファイルあるいはCSVファイルに出力することができます。
- 所要量計算の基準となる部品表は、製品と部品、部品と部品の親子関係を階層構造(ストラクチャ形式)で登録することができます。
- 部品表の階層レベルは最大8まで設定することができます(カスタマイズによっては事実上無制限)。
- 製品や部品、素材、購入先などをマスタ登録しておくことによって、生産計画や部品表に簡単に呼び出して入力することができます。
- ストラクチャ形式で入力された部品表データは、ストラクチャ形式/サマリ形式の両方で帳票に出力することができます。
- ストラクチャ形式から自動変換されたサマリ形式データを画面上で確認することができます。
- 部品表や部品マスタ画面では、部品に関する図面ファイルを呼び出して、CADソフトで開くことができます。また図面ファイルだけでなく、Excel等の関連資料も登録・表示することができます。
- 部品表の入力に際しては、ある製品の部品表データを別の製品に丸ごとコピーすることができますので、類似製品のデータ入力を大幅に省力化することができます。
- 部品表に登録されたいくつかの部品をAssyデータとして登録することによって、さまざまな製品で再利用することができます(Assyデータを編集することも可)。
- いくつかのマスタデータについては、外部のCSVファイルからインポートすることができます。CSVファイルの内容に連動させて、マスタの更新・追加・削除が可能です。
- すべての帳票はプレビューすることができます。実際に印刷する前に、そのイメージを確認することができます。
- 本アプリケーションは、Microsoft Accessで作られています。Accessがあらかじめ持っているさまざまなデータ操作機能(コピー、貼り付け、検索、置換、並べ替え、フィルタなど)をそのまま利用することができます。
- データベース容量として、最大2GBまでの情報を1つのファイルとして扱うことができます。その範囲であれば、登録件数は無制限、また運用方法やカスタマイズによってはファイルサイズも事実上無制限です。
- データベースをネットワーク上の複数のパソコンから共有することができます(※パソコン台数分のライセンスが必要)。
- 保存されたデータは、他のT'Factoryシリーズのアプリケーションと共有することができます。
- Accessの知識があれば、画面や帳票、機能を自由にカスタマイズすることが可能です(※ソース公開版の購入が必要)。