Accessによる生産管理改善の進め方 - 4 一方、ある担当者は受注をシステムで管理し、別の担当者は生産計画を他のシステムで立てているとします。前者が入力するデータは、受注日付や注文番号、得意先、納期、そして製品(部品)の名前や数量、単価などの明細データとなるでしょう。後者は注文番号、納期や着手日、および製品(部品)の名前や数量などの明細データとなるでしょう。それらを見比べたとき、多くの情報が共通的であることが分かります。 このようなとき、部署が違うから、担当者が違うから、システムが違うからといって、同じデータを別々に入力するのは非常に非効率的なことです。データを共有し、自動的に受注から生産計画へと受け渡すことができれば作業のムダが減らせますし、別システムに転記する際の入力ミスによる情報品質の低下も防げます。 また、製品データをひとつ入力する操作をとってみても、ある一人がマスタ登録しておき、それを入力するすべての人が、製品コードを入力するだけで製品名やリードタイム、単価などの関連情報が自動的に入力されるとしたらどんなに便利でしょう。たとえばもし、購買部門である材料の購入単価が変わったとき、そのデータが原価計算や営業用の見積り単価あるいは経営分析データなどに一気に反映されるとしたら、どれだけ業務スピードと情報の即時性を上げることができるでしょうか?。そのようなマスタデータは、設計でも営業でも製造でも購買でも経理でも利用できるのです。 このように、ひとつのデータをみんなで利用するということは、会社全体として非常に大きな価値を生み出し、業務改善に繋がります。 この点でも、Accessのようなデータベースを使うメリットがあります。Accessでは、ネットワークを使って、あるサーバーあるいは一台のパソコンにだけあるデータを複数パソコンで共有することができるのです。Excelでは基本的にひとつのファイルを複数人で同時に編集できませんが、Accessではひとつのデータを同時に編集したり閲覧したり、しかも速く安全にそれを行うことができるのです。またデータ共有することによって、単にひとつのデータをみんなで使えるだけなく、ある一人の担当者が入力したデータを他の担当者が重複して入力することなく、引用して利用することもできます。 そのようなことから、情報管理、情報活用の面からみた理想形がネットワークを使ったデータの共有です。共有化するためのデータ設計(保存の仕方)には一工夫必要ですが、データの利用価値を格段に向上させることは間違いありません。 そこでここでのポイントです。 『Accessのデータをネットワーク化し、データの適用業務を拡大、情報収集のスピードアップや相互利用を促進する』 ちなみに、ネットワークというとかなり大掛かりな印象を受けるかもしれませんが、最近ではそれもかなり簡単に構築することができます。たとえばもしインターネットへの接続にルーターと呼ばれる機器を使っているなら、そこにパソコンを数台接続できるようになっているかもしれません。各パソコンの背面から専用のLAN用ケーブルを差し込み、Windows上で簡単な設定を行うだけです。一般的にこのような小規模なネットワークは“ホームネットワーク”などと言われることもありますが、それでも複数のパソコンが情報共有するには十分な仕組みです。パソコンが同じ事務所内で複数あるなら、ぜひ一度トライしてみてはいかがでしょうか?。 ◇ ◇ ◇ ◇
生産活動におけるすべての人、機械、物の動きや停滞にはそれに関するさまざまな情報が伴っています。言い換えれば、その情報を管理できれば生産活動をより確実に精度よくコントロールできるということです。まとめ もちろんその管理業務自体に必要以上の労力やロスがあってはいけません。現場の作業と同様に効率化されたシステム体系が必要です。そのためのひとつの道具がITでありデータベースでありネットワークです。間接業務の“効率化”・“省力化”、さらにはそこから生み出される管理情報提供の“スピードアップ”や“正確性向上”の重要ツールとして、それを活用した生産管理改善を進めてはいかがでしょうか?。 |
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